チーム チャンピオンズ カップ(TCC)2020 を共同で主催する隔月刊『風景写真』発行責任者・石川 薫(株式会社 風景写真出版)と月刊『フォトコン』編集長・藤森邦晃(株式会社 日本写真企画)は、TCC 2020 予選であるe PHOTOMATCH(以下、e PHOTOMATCH)で使用する作品に、政府による緊急事態宣言の措置期間となった4月7日以降の作品を含めないよう参加チームに自主的な取り組みを求めることになりました。e PHOTOMATCには過去最高となる24チーム(120名)がエントリーしています。
◎石川 薫(『風景写真』代表)と藤森邦晃(『フォトコン』編集長)から e PHOTOMATCH エントリーチームの皆様へのお願い
ご存知の通り、今、世界中で新型コロナウイルスによる感染症の広まりが深刻な問題となっており、日本においても、政府から7都府県を対象として4月7日より外出の自粛を強く要請する緊急事態宣言が発出されました。
e PHOTOMATCH ではルール上、4月30日までに撮影した作品の使用が認められていますが、出場チームの皆様には措置の対象となる4月7日以降の作品を e PHOTOMATCH 使用作品に含めないよう自主的な取り組みを強くお願い致します。また、この取り組みは措置の対象である7都府県に限らず、全チームを対象に求めるものです。
新型コロナウイルス感染の広がりは、これまでのところ一向に収まる様子がなく、その影響は国民の健康を脅かすに止どまらず経済や文化的な活動にも深刻な停滞をもたらしています。
写真界においても危機意識の高い一部のプロ写真家が緊急事態宣言以前から撮影を自粛する姿勢を示すことによってメッセージを発していましたが、残念ながら今も人気撮影スポットに写真家が集まる姿が報告されるなど、危機感には温度差があるのが実情です。
世界に目を転じると、新型コロナウイルスによる死者はスペインで約1万7千人、イタリアで約2万人、アメリカ・ニューヨクでは2万人を超えてさらに死者が増加しており、全世界では約11万4千人(*)もの人が命を落としています。このパンデミック(*)の状況で、日本だけがオーバーシュート(*)の危険と無縁であるわけがなく、また、緊急事態措置の対象となっていない地域は安全と考えるのも楽観的に過ぎると言えるでしょう。
TCC の精神を示すFair Photographersとは「今日撮った風景を明日はさらに美しく」を理念とし、自分の写真家としての使命に照らして、その実現のために自ら考え、責任ある行動をとる写真家のことを言います。そして“美しい風景”とは命が健やかに暮らし、育つ環境のことに他ならないのです。信頼と期待を込めて今こそエントリーチームの皆さんにFair Photographersとしての本領を発揮していただくことを願います。
石川 薫(隔月刊『風景写真』代表)/藤森邦晃(月刊『フォトコン』編集長)
*感染による死亡者数はいずれも4月13日の報道によるものです。
*パンデミック:感染症が世界的に広がること
*オーバーシュート:感染症が爆発的に広がること
*TCC本選の開催についてはe PHOTOMATCHが開催される5月16日までに状況を見極めて判断を発表します。現時点では本選開催の予定に変更はありません。